ビジネスフォンを導入したい!家庭用電話機との違いや、費用などを一挙解説

創業手帳

ビジネスフォンの導入で押さえたいポイントを紹介!家庭用にはない多彩な機能の解説と導入方法の種類・導入形態とは

ビジネスフォンとは

ビジネスフォンは、事業拡大とともに導入したいシステムのひとつです。ビジネスでありがちな電話のやり取りを、よりスムーズにする機能があります。

ビジネスフォンの導入メリットを考えるために、家庭用との違いを紹介します。また、導入方法や導入形態によって、メリット・デメリットも違ってきます。

ビジネスフォンの導入を考えるなら、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、選択のヒントにしましょう。

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ビジネスフォンとは

ビジネスフォンは、ビジネスに特化した機能により、仕事での電話のやり取りをより便利に円滑にできる電話のシステムです。

大きな特徴の一つとしては、複数の外線と内線を共有できる点です。1人に1台設置することもでき、システムを通して複数の通話を一台の電話で行うことができます。

また、一つの通話を他の電話機に回したり、複数の人が対応することも可能です。

基本的にビジネスフォンは、主装置+専用電話機の組合せでシステムが構築されています。家庭用よりもビジネス向けで利便性も高くなっているので、家庭用電話機との違いも確認しておきましょう。

家庭用電話機との違い

ビジネスフォンは、家庭用の電話機とは大きく異なる機能、システムを持っています。家庭用の電話機との大きな違いは「内線」「保留転送」「複数外線からの同時着信」といった機能がある点です。

ビジネスフォンは、交換切換えを行う「主装置」によって内線と外線の2種類を使い分けられるため、少ない回線を多数の内線電話機で共有できます。

複数の外線を一度に取ることができ、手元の電話機の操作一つで切り替えが可能です。これらの機能により、取引き先や顧客からたくさんの電話を受けたり、複数名で営業電話をかけたりすることができます。

家庭用では、電話番号が1回線の時は電話機が何台あっても外線は1回線しか対応できません。当然のことながら、電話またはFAXを1台使用使用していれば、他の電話機からは発着信もできなくなります。

ビジネスフォンとは異なり、家庭用電話は1台の電話機には一つの電話番号で、何台設置してもそれぞれ一台ごとに着発信できるだけです。

ビジネスフォンの仕組みと機能


ビジネスフォンは、一回線を複数の電話機で共有したり交換切換えを行う「主装置」があり、主装置によって様々な機能ができるようになっています。主装置内部にはCPUが収納されており、内線・外線ユニットなど複雑な作りです。

ビジネスフォン導入を検討している方は、基本的な仕組みと機能について知っておくことが大切です。ビジネスフォンは何ができて、どのように役立つか、具体的に解説します。

内線

ビジネスフォンの機能には内線電話があります。これは家庭用電話機でも利用できる機能ですが、ビジネスフォンのほうが使い方に柔軟性があり便利です。

ビジネスフォンの内線電話も、主装置によって行われています。ある電話機から内線をかけると、主装置を通して他の電話機に着信させる仕組みです。

各電話機にはそれぞれ内線番号が割り当てられており、電話機から内線番号にかけると通話できます。

また、複数の電話機を設置していれば、その電話機の台数分だけ同時に内線を使うことが可能です。

家庭用では1台使用していると他の内線はできませんが、ビジネスフォンでは同時に複数の電話機同士が内線で話せます。会議機能のある場合には、複数の人が同時に会話することも可能です。

保留転送

保留転送機能は、ビジネスフォンならではであり、広いオフィスや別室にいる社員へよりスピーディーに外線電話をつなげる機能です。

これも、ビジネスフォンの主装置を利用した機能で、一つの電話で受けた通話を主装置を介して別の電話機に回します。また、着信した通話だけでなく、こちらから発信した通話を他の人に回すことも可能です。

電話を受けた人は、一度保留にした状態で通話の相手が求めている社員のデスクにある内線番号にかけます。

内線を受けた人は、内線を切ってから保留にしてある外線をその電話機から取ることができます。通話中に他のデスクのPCの資料を見たくなった時にも、一度保留にして移動先の電話機から再度通話を開始でき、便利です。

同時着信機能

ビジネスフォンには、同じ電話番号にかかってきた電話を主装置を通し、すべての電話機に着信させる機能があります。

外線からの着信を複数の電話が受け取ることができ、担当者が不在の場合でも、他の社員が対応することが可能です。

また、一度に複数の外線がかかってきた場合も、電話機の数だけ同時に通話できます。同時使える通話数は、あらかじめ契約時に「通話チャンネル数」として設定することが必要です。自社の通話の混み合い方によって数を決めます。

ビジネスフォン導入方法の種類


ビジネスフォンの導入方法は、購入かレンタル・リースがあります。方法によってはすぐに導入方法を変えられないこともあるため、慎重に自社に合ったものを絞り込むことが大切です。

導入方法によって、かかるコストも変わり、使い勝手やメリットデメリットもそれぞれ違います。購入の場合には、新規購入と中古のどちらかを選ぶことも可能です。

それぞれの導入方法ごとの特徴やメリットデメリットを解説します。

新規購入

ビジネスフォンを新規購入して導入する場合には、初期投資のコストが高くなります。ビジネスフォンは家庭用電話機よりも高額で、さらに利用を始めるためには設置費用も必要です。また、新しい機器は中古に比べて高価なので、より総額費用がかかるります

ただし、一度購入してしまえば、その後のランニングコストは通話料以外かかりません。また、新しい機器なので基本的には故障は少なく、保証期間もたっぷりとあります。

新規購入は、一時的に現金が大きく減りますが、長期的にみるとコストを抑えられる方法です。

起業したばかりで資金不足の不安がある場合にはリスクとなりますが、元手が十分にある場合には検討してみると良いでしょう。また、導入したビジネスフォンは資産になるため、減価償却で経費計上する必要があります。

中古購入

ビジネスフォンは高価な上に設置費用もかかるため、新しいものではなく中古を購入するという手も良い選択肢の一つです。中古でビジネスフォンを購入し設置することで、購入費用を抑えることができます。

ビジネスフォンの基本機能は、古いものでも新しいものでもあまり違いはありません。そのため、特に最新モデルにこだわらない場合には、中古でも十分ビジネスフォンの機能を果たし、役立ちます。

メーカー保証はありませんが、アフターケアとして販売会社・販売店の保証プランを利用できることがあります。中古でもビジネスフォンは資産計上し、減価償却が必要です。

リース

ビジネスフォンを導入する方法には、購入ではなく借りる方法もあります。リースは、借りる契約のうち、年単位の長期間の契約を行う取引方法です。

リース契約では、あらかじめ一定期間利用を継続することを条件に、月額のリース代を支払い、ビジネスフォンを使います。

費用の内訳は機器代金とリース手数料です。電話の機器類はリース会社が新規購入で準備して貸し出すため、新品の電話機を使うことができます。比較的リーズナブルな月額費用でリースできますが、リース期間の途中解約はNGです。

月額のリース費用は、すべて経費として計上できます。初期費用をかけずに、ランニングコストだけで導入できるため、現金の少ない起業したばかりの企業でも安心です。

レンタル

ビジネスフォンを借りて導入するもう一つの方法が、レンタルです。レンタルは、リースに比べて短期間の貸出となります。一日単位や月単位で借りることができ、解約費用もかかりません。

ただし、利用料金はリースよりも高額になる傾向です。また、レンタルの場合にはリースのようにリース会社が新規に機器を用意してくれることはありません。レンタルで依頼すると、レンタル会社は現在保有している機器を貸し出します。

リースより割高ですが、利用期間には柔軟性があり、安定した経営が続けられるか不透明な開業当初には安心です。

ただし、ビジネスフォンは設置のためには工事も必要で、電話番号を顧客に教えるため頻繁に変えるものではありません。長期的に見ると、費用総額が高くなるため、慎重に判断しましょう。

ビジネスフォンの導入形態は固定かクラウドか


ビジネスフォンは、PBX(Private Branch Exchange)という電話交換機を使用して運用されますが、その導入形態には固定のPBXとクラウドPBXがあります。固定とクラウドではコストや使い勝手が異なり、メリットやデメリットにも差が出ます。

ビジネスフォンの導入を検討する場合には、固定かクラウドか利用の形態にも注意が必要です。どちらにもメリットとデメリットがあるため、自社に向いた方法を選びましょう。

総合的な安さと安定性なら固定がおすすめ

ビジネスフォンを長期的にリーズナブルに、安心して使いたい場合には、固定がおすすめです。社内での運用ができるため、ランニングコストを抑えて安全に利用しやすくなっています。ただし、初期投資や工事の必要性などデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。

メリット

固定PBXのメリットは、社内運用によるセキュリティの安全性の高さ、通話料のかからないランニングコストにあります。固定の場合、PBXは社内で設置、運用され、企業独自のシステムとして使うことが可能です。

自社内で閉じたネットワーク環境が作れ、すべてを自社の管理下に置けます。また、音質も安定的です。コストは初期に機器代金と設置工事費がかかりますが、ランニングコストは通話料のみのため、長期的に利用するなら総コストを抑える効果が期待できます。

デメリット

固定のデメリットは、初期に支払う導入コストの高さや設置工事の必要性があります。社内に固定されたシステムを構築するため、ランニングコストは少ない反面、まとまった初期費用が必要です。

そのため、開業したばかりの資金不足の中では導入が難しいかもしれません。また、設置工事に時間がかかり、移転の際には再工事が必要です。

フットワーク重視ならクラウド型がおすすめ

クラウドPBXは、固定に比べて新しいサービスです。手軽で初期費用が掛からず、スピーディーな導入ができます。スマホ連携、PC連携など、フットワークも良好です。

ただし、一方で自社でシステムの管理ができず、通話料の他ほかにクラウド利用料もかかるといったデメリットもあります。

メリット

クラウドPBXは、設備の購入や工事が必要なく、インターネット環境さえあれば最短数日で利用できるようになります。工事の必要がないため、初期費用も低額、もしくは無料です。

また、社員のスマホもそのままで内線化でき、別の拠点の着信の受電や、外出中の社員へ取次ぎもスムーズに行えます。保守点検やメンテナンスも必要なく、機器を社内に置く必要もありません。

デメリット

クラウドPBXは、自社社内のシステムではないため、セキュリティの信頼性はベンダーに依存することになります。また、社内システムではないため、システムの設定を柔軟に行えず、画一的なサービスになりがちです。

コスト面では、初期費用を抑えられる反面、通話料とは別に、契約中はずっと利用料を支払う必要があります。発信できない電話番号もあります。

ビジネスフォンのイニシャルコストとランニングコスト


ビジネスフォンのイニシャルコストやランニングコストについて解説します。ビジネスフォンは、基本的に機器の購入代金などの初期費用と毎月の通話料などの月額費用がかかります。導入したらどれくらいの費用がかかり、維持していけるか、費用面について確認してみましょう。

イニシャルコストは機種と工事費用

ビジネスフォン導入でかかるイニシャルコストは、主に機器の購入代金と工事費用です。ビジネスフォンでは電話機だけでなく主装置の購入費用も必要で、それぞれの費用相場は以下の通りです。

  • 新品の電話端末:1~3万円
  • 中古の電話端末:2,000~1万円
  • 新品の主装置:15~30万円
  • 中古の主装置:15万円以下

また、リースの場合には購入とは違いますが、月額料金に端末代が含まれます。

工事費用は電話機と主装置の設置費用、さらに配線工事費用が必要です。工事費用の目安は以下の通りで、工事費用は各事例ごとに異なるため見積もりが必要です。

  • 電話端末:2,000~4,000円/台
  • 主装置:2,000~4,000円
  • 配線工事の費用:1~2万円/台

 

ランニングコストは保守契約料金と通話料金

ビジネスフォンのランニングコストは、社内システムの保守点検料金と通話料金がメインです。毎月の保守費用は導入規模によりますが、10台程度のオフィスでは数千円~1万円以内が目安です。こちらも業者や規模によって価格が変わるため見積もりが必要です。通話料は、契約している電話回線によって様々な違いがあります。

リース・レンタルは機種貸出料金も

リースやレンタルで導入するビジネスフォンでは、機種貸出料金も発生します。リースでは3,500円程度が目安です。

購入すれば貸出料金は発生しません。中古でも良ければ、月額料金と同じくらいの金額で購入可能なので、慎重な選択が必要です。リースやレンタルでも工事費はかかるため、機種貸出費用の分だけ割高になってしまいます。

クラウド型は利用料も

クラウド型のビジネスフォンは、社内にシステムを設置する必要がないため、工事費を抑えられますが、反対にクラウド利用料が通話料とともに必要になります。固定の場合には通話料だけですが、クラウド型ではビジネスフォンを利用している間、ずっと利用料が必要です。

まとめ

ビジネスフォンは事業用電話として社内の電話運用の効率化やコストダウンに役立つシステムです。スタッフの増加とともに導入を検討したほうが良いでしょう。

ビジネスフォン導入時には、電話機の導入方法やシステム導入の形態も選ぶことが大切です。新品購入も良いですが、購入費用抑制のために中古やリースの検討も必要です。また、導入方法によって経費の扱いも変わるかもしれません。

ビジネスフォンのシステムも、近年固定だけでなく、クラウド型も増えています。どちらにもメリットデメリットがあるため、慎重に検討を進めていきましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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